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夜明けのすべてのc5のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.1
◯瀬尾まいこ原作、帰りに原作買って帰った。終映後、すっと席を立つことができなかった。なんだか考えてしまうことが多い。原作の骨子は大事にしながら丁寧に改変が行われている。

◯PMSやパニック障害、症状は人それぞれだろうし、これで分かったようなことを言う気はないけれど、誰もがどこかにちょっとした生きづらさを抱えているかもしれなくて、誰もがそれをちょっと助け合って生きていけるのかもしれない。

◯気遣いしすぎるはっきり言えばお節介レベルな藤沢さん、その反動かのように当たり散らしてしまう時がある。気を遣うとき、どうしてもどこかで見返りを求めてる気がする私になんか刺さった。周囲に興味がない、山添。彼が徐々に人のために動く姿、最後のプラネタリウムで、渋川さんと握手するところでなんか泣けてしまった。

◯「夜についてのメモ」良すぎる。
夜明け前がいちばん暗い。
これはイギリスのことわざだが、人間は古来から夜明けに希望を感じる生き物のようだ。
たしかに、朝が存在しなければ、あらゆる生命は誕生しなかっただろう。
しかし、夜が存在しなければ、地球の外の世界に気づくこともできなかっただろう。
夜がやってくるから、私たちは、闇の向こうの途轍もなき広がりを想像することができる。
私はしばしば、このままずっと夜が続いてほしい、永遠に夜空を眺めていたいと思う。
暗闇と静寂が私をこの世界に繋ぎとめている。
どこか別の街で暮らす誰かは、眠れぬ夜を過ごし、朝が来るのを待ちわびているのかも知れない。
しかし、そんな人間たちの感情とは無関係に、この世界は動いている。
地球が時速1700キロメートルで自転しいる限り、夜も朝も、等しくめぐって来る、
そして、地球が時速11万キロメートルで公転している限り、同じ夜や同じ朝は存在し得ない。
いま、ここにしかない闇と光━━すべては移り変わっていく。
一つの科学的な真実━━喜びに満ちた日も、悲しみに沈んだ日も、地球が動きつづける限り、必ず終わる。
そして、新しい夜明けがやってくる。


私たちは助け合える。
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