さくら

夜明けのすべてのさくらのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.5
凄く温かい映画だった。何か劇的な変化があるわけでもないし恋愛が発展することもなく、ボロボロと涙するシーンもない。だけど、なんだか背中を押されたような気分にさせてくれる作品。
最初に予告編を観たときはPMSで苦しむ女性とパニック障害を患っている男性がお互いに理解して助け合うだけなのかなと思っていた。確かにそのような展開はあるが、それだけではなく、根本的な人と人との繋がりの大切さや“人は見かけによらない”ということも丁寧に描写されていた。職場の強面の先輩、学校の先生、友達、恋人等…身近な存在でも抱えていることは誰にでもあるし、完全にはわかり合えないことだってある。本作では互いに違った病気を持つ二人として焦点を当てられているが、病気を持ってなくても当てはめられるし、今後の人生において役立つメッセージが含まれている。また、藤沢さんと山添君が最後まで一切恋愛感情を持つことなく自分の道を選んで進んでいく様子が、まさに性別という壁を越えた関係性(友情とも言い難い)といった感じで良かった。






「SNSの誕生日のお祝いなんて、みんな機会的に祝ってるだけだよ」←いやそれなぁ
さくら

さくら