観てる間ずっとあったかい光に包まれてるみたいだった、私だけじゃなく映画館全体を包み込むような。やわらかくてざらついたフィルムに映る光がこちらに届くたびに涙が出た
映画のすべての要素が素晴らしく、この映画がこれ以上になることはないという気がした。ケイコの時もそうだったけど、三宅監督の作品を見ると、自分が見てる世界が、想像力が広がる感じがする。深く関わることはない偶然すれ違ったその人に対して優しく接することができるような。ほんの1秒しか映らないようなエキストラもちゃんと生きてたから
普段の生活でも行う動作に、良い意味で意味を持たせないみたいな演出とカメラのとらえ方がすばらしかった。物語に影響を与える、意味のあるシーンだけがつなぎ合わされた、ひとつのテーマを伝えるために効率的にまとめられたみたいな作品ばかりな中で、取るに足らない例えば店員さんにありがとうと言いメニューを渡すようなそれらの行為はとても大切で、見逃されてはいけなくて、それらをとらえてくれてありがとうございます…
この作品ではやさしい人しか出てこなくて、傷つける言葉をかける人はいない。
マイノリティに寄り添うような作品では、彼らの生きづらさを伝えるためにかあえて敵のような存在が出てくることが結構ある。それをわざわざ描く必要があまりわからなくて、それより観てる誰かや自分が傷つくことがこわいなと最近よく思ってた。(実際最初の警察のシーンでは構えてしまった)
だから、この先も絶対に安心してみれる映画をつくる監督を知れて嬉しい。
ぼんやりしたことしか言えないけど、人に優しく接することで、自分が大丈夫になれることってあるよなと思った、ひとりよがりなことではなく
