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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版のSoulFoodKitchenのレビュー・感想・評価

5.0
「鈴木清順生誕100年祭」で見ました😊
公開時に観て以来や。
今更やけど、こんなに幽玄耽美な世界やったんや〜🥰
コレは若い時に見るより今見た方が心に染みるな〜
原田芳雄の男の色香が半端やない😘
そして、大谷直子の透き通る様な美しさに大楠道代の凛とした美しさ😍

中砂(原田芳雄)は漂泊の民であり、この世は所詮、戯言と達観してる。
盲目の角付け芸人はこの世とあの世を繋げる、いわゆる折口信夫の言う「マレビト」である。
「マレビト」は異界から来訪する霊的な存在や。
そんな中砂も死んで、あの世からの使者として後妻の小稲(大谷直子)を使わす。
やがて青地(藤田敏八)も死んだ中砂の娘、豊子に誘われるままに彼方(あちら)へ行ってしまう・・・

中砂も園(大谷直子)も豊子も死の世界にいて、中砂の後妻の小稲は園の姿を借りて彼方の世界にから来てるのかもしれない・・・
この映画は生と死が極めて曖昧で地続きになってる。
物理的な死は存在しても観念的な死は存在しないと言ってる様や・・・
僕達が生きてると思ってる現実の世界は既に死の世界でもあるかの様に・・・

鎌倉の切り通しに青森の極寒の海、廃線のトンネル、古びた日本屋敷と西洋屋敷
宙に舞う舞う花吹雪・・・🌸

また音が印象的。
鈴の音に拍子木の音、振り子時計のボンボンと時を告げる音にお寺の鐘と音、虫の音と屋根瓦に落ちる石の音・・・
まるで異界から響く様な音にも聞こえる・・・

そして生(エロス)への欲求を表す食の数々・・・
鰻に牛鍋、蕎麦、天麩羅、
そして契り蒟蒻と汁が滴り落ちるエロチックな水蜜桃・・・🍑
まるで食べる事は生を確認する為の性行為にも見える👀

怪しく漂う生と死と現実と夢想とエロス👄

現実の生はいとも儚く虚で短い・・・
死とエロスが漂う夢幻こそが永遠の世界とも想える👺
いつまでも、この魅惑的な世界にズッポリと浸って心地良さに時間を忘れて没頭していたい🥳

イヤ〜素晴らし過ぎる〜💕
紛れもなく日本映画の大傑作🤩
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