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チャレンジャーズのnoborushのレビュー・感想・評価

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)
2.5
チャレンジャーズ 2023年作品
Challengers
5/10
ルカ・グァダニーノ監督
ゼンデイヤ ジョシュ・オコナー マイク・ファイスト
アマチュアの天才テニス選手で、スポンサーも付いていたような主人公
タシ・ダンカン(ゼンデイヤ)。ダブルスでも組む仲の良い二人のアマ選手パトリックとアート
(オコナーとファイスト)と親しくなり、パトリックと関係をもつ。
その後、怪我で選手生命を絶たれ、恋仲となっていたパトリックと別れた後、
アートのコーチになり、彼女のお陰で一流選手になり私生活でもパートナーになる。
しかし、アートは絶不調になり、再起をかけた大会に出場すると、そこに今は格下の選手になっている
アートも出場していた。
テニス競技を通じた三角関係の映画。グァダニーノに興味があって観てみたのだけれど、さほど良い出来では
無かった。ゼンデイヤが好きでなんとなく洒落たシーンがあればいい人には、これで満足なのかもしれないが
自分はそうではないので。
テニスが出来なくなってもテニスに対して情熱を持ち続ける主人公についてだけれど、テニスシーンに
さぼど説得力がないのが問題。試合中に鬼の形相をして"Come On !"と叫んでいればテニスに熱意がある
というわけではないだろう。テニスが上手いと思わせるだけの動きはない。
また、二人の男優に関して、マイク・ファイストは「ウエスト・サイド・ストーリー」で光ってはいたが、
二人とも華があるわけではない。
あくまでゼンデイヤに導かれる役柄でなければいけないわけで、「DUNE/デューン 砂の惑星」のシャラメみたい
なのが来てもらってはゼンデイヤ的に困る。そうしたキャスティングがいやらしい。
最後にかつての友人で恋敵の二人の決勝戦があるのだけれど、ここのテニスの演出も酷い。
一人称カメラにしてみたり、ボールの目線になったりとめまぐるしいカメラワークがあるのだけれど、
まともにテニスプレーを演出できないから誤魔化したとしか思えない。
そして試合の勝敗は分からず、プレーを通して二人の男のわだかまりが解消するといラストになる。
3人の関係を描くのがメインでテニス自体を全く重要視していないのが最後で明確になるが、
そうすると前提が崩れてしまう。
女が男を導き指導する時代性を喜ぶ人はいるとは思うが、作品はそれ以前の問題。
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