あんず

AIR/エアのあんずのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
4.3
NIKEはすごい人気のブランド、マイケル・ジョーダンはバスケットのすごい人、程度の知識しかなかったけれど、とても楽しめた。連れは、ほぼ知っている話だったから、私ほどの面白味は感じられなかったとのこと。

1984年という時代がなんかもう愛おしくて。NIKEなのに本社が田舎にあって、アナログな感じのオフィス。大きなデスクトップに存在感のあるコード付きの電話に書類、E-mailもまだないし、電話か直接話すしかビジネスの交渉手段はなくて、人と人の繋がりが今より密な感じ。

主役ソニーを演じる中年太りのマット・デイモンが愛おしい(親近感を感じて好感度大)。ピタピタのパンツで走るCEOのベン・アフレックは、この時代から昨今話題のマインドフルネスを取り入れていて、部下たちに呼吸に意識を向けるようアドバイスするのは、先見の明があるなぁと思った。CEOご自慢の車の横でスケボーする更年期の職人ピーターが、一人で美しいシューズへの執念を燃やしてエアジョーダンを作るのも凄かった。バスケットシューズは白が50%以上じゃなきゃダメ(だった)なんて、初めて知った。

マイケルのお母さんの自分の子どもの才能を信じ、それを守るための交渉力がスゴかった。母は強し。

アメリカン・ドリームはやっぱりいつ観ても爽快。さらっと観れて元気を貰える大人への応援歌って感じがした。日本でもこういう作品(世界に誇るゲームやアニメの誕生舞台裏とか)があったら面白そうなのにな。
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