ニューヨークを舞台に幸せそうに見える潔癖家の精神科医と書けない作曲家の夫婦に訪れた驚きの出来事を題材にしたヒューマンドラマでスランプに陥った現代オペラ作曲家の人生がある女性との出会いを機に大きく変化するさまを描きだす。大人の恋愛日和。違う方向を向いたそれぞれの幸福さがし。まずアン・ハサウェイ主演の最新作で、ハサウェイ出演作でのブルックリンと言えば『ブルックリンの恋人たちを(２０１５年)』を彷彿とさせるが、似て非なるユニークなロマコメに昇華される。設定のオペラが全体のメタファーにかかってて、小粋な造りが機能している。またブルックリンの風景も酔いしれる。恋愛の本質を突き詰め過ぎずビターな風味でさっぱりと押し上げてもらえる。
