010101010101010

こわれること いきることの010101010101010のレビュー・感想・評価

こわれること いきること(2022年製作の映画)
2.9
ザ・ヒューマンドラマ。
全般的に演出がベタベタなのが残念。わざとらしい、というのか、いかにも、というのか…。
ただ、時折、やけに藤田朋子の演技の説得力が光る。

認知症の人の表情がパッと変化してゆく瞬間が、(これもベタと言えばベタだが)、よかった。

とはいえ、前半に具体的に東日本大震災を出してきた割に、後半、そこを「ほぼ」回収しない…というのが、どこまで意図的な(確信犯的な)判断だったのかがイマイチ掴めず、ちょっと戸惑ってしまった。
「まったく」回収されていないのであれば問題外なのだが、ほんの数秒だけ、それらしき画が映るのである…。
その一瞬、ほんの一瞬だけ、人間の(認知機能の、あるいは心の…)一瞬の回復と、復興に向けてあゆんでいる被災地、といったところの、望みのようなものが重なり合い、それがその土地の四季折々の美しい自然(…しかもそれは、もしかすると認知症の人の遠い記憶の向こうにある景色の、今現在も変わらない姿なのかもしれない…)の走馬燈のようなモンタージュで挟まれているのである…。
何だったんだ、あの流れは…。
ちょっとビックリしてしまったのだが、しかし先にも述べたようなベタベタな演出のせいで、それがどこまで確信犯的なものだったのか、いまだに判断できずにいる…笑
あまりにも、さりげなさすぎないか…?
気のせいだったのか…?笑
(そこの確信が持てずにいるので、点数は厳しめにしました…)

介護現場の大変さと、その中で芽生える喜びの瞬間のようなもの。
まんじゅうのエピソード、よき。