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アリーテ姫のココのレビュー・感想・評価

アリーテ姫(2000年製作の映画)
4.7
聡明で行動力と勇気あるアリーテ姫。

自由を求めて外に出ようとするも、彼女を利用し続けたい国の摂政達に「呪われている」と謗られてしまう。

そこに魔法使いを称する男がやってきて彼女の「呪いを解く」と言うのだ。魔法にかけられたアリーテ姫はたちまち白無垢の美しい姫に姿を変えるのだが…

従順に慎ましく待っていても救いの王子が来ることはない。呪いを受けたアリーテ姫はどのように窮地を脱するのか?



「”呪い”を解く」という言葉を使うことで、
女の子の可能性を否定し都合のいい姿に変えようとする傲慢さ、それを正しいと信じて疑わない男の浅慮さを表現できていると思った。
この作品で最も印象に残っているシーン。

フェミニズム的な要素がある他にも中世ヨーロッパを思わせる世界観、SF要素、片渕監督が得意とする市井の人々の暮らしを丁寧に切り取った場面など、
洗練された物語の構成の他にも視覚的なしずる感も存分に味わえる作品となっている。予算はかなり少なかったらしいがその様子は一切感じられない。

唯一の難点はこの作品があまりにも世間で認知されていないということだ。一度でもいいから見てほしい。
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