みむさん

未来は裏切りの彼方にのみむさんのレビュー・感想・評価

未来は裏切りの彼方に(2019年製作の映画)
3.0
第二次大戦下のスロバキア、脱走兵とその妻、軍事工場のオーナー、娼婦、役人、それぞれが生きるために必死で裏切り合う。

ナチス・ドイツに対し起こったスロバキア民衆蜂起を背景に描く愛憎劇とのこと。
スロバキア映画だが全編英語、戦争映画だが戦場はほとんどなく、作品紹介文どおりメロドラマそして泥沼ドラマだった。

策略家のように騙す者もいれば、行き当たりばったりの嘘をつく者もいる。そして、戦時中でナチスの目もあることでピンチとなれば生きぬくことだけを考え咄嗟に判断して行動するので、いつ誰が裏切っても寝返ってもおかしくない状況なので見てるほうも気が気じゃない。
愛する人すら疑ってしまう。

そんななかで信念を貫くことはできるのか、生き抜くことはできるのか、人としての良心との間で苦悩する。
なんとなく予感はしたが皮肉的で惨い終わりかただった。
この悲惨な状況で信頼できる人がいないとなると辛さ倍増だな。

ナチス自体はほとんど出てこないが、登場人物たちの態度などからその恐ろしい気配だけはひしひしと感じる映画。