菩薩

役者の菩薩のレビュー・感想・評価

役者(1948年製作の映画)
3.9
ギトリがサッシャ本人と父親リュシアンとを演じるなんとも感動的な役者及び演劇讃歌の物語。人は皆それぞれに役者であり人生とは演劇であると言わんばかりで、ギトリ自身の尊敬の眼差しと助平心が溢れ出ている。演劇と映画を箸渡すかの様に父から子へと投げられるステッキ、二人がさも同一画面に共存するかの様な終盤の繋ぎが面白い。最後まで役者として自らの人生に幕を下ろした父、と言うのもまたギトリの創作らしいが、舞台の上で生き舞台の上で死ぬと言うのは役者の本望なのだろうし、それを叶えてやったのがあの結末なのかもしれない。
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