あらぬ嫌疑をかけられ藩を離れた浪人が妻の忘れ形見の娘のため命を懸けた仇討ちを決行する姿を描いた時代劇エンタテインメント。
白石和彌監督による時代劇。時代劇を普段観ないような人でも楽しめるものになっていた。碁がテーマとなっているのだが碁のルールが分からなくとも雰囲気で理解できる作りになっているのも観やすい理由だと思う。碁を打つ場面が多く登場するのだがその場面で上手く人物の感情が表現されていて面白かった。正々堂々という言葉がとてもカッコよかったのが印象的。アクションは少なめで全体的にヒューマンドラマが中心となっている。國村隼と草彅剛の友情や清原果耶と草彅剛の親子愛。熱い演技に心打たれた。時代劇らしい武士の誇りというものがしっかりと描かれていて白石和彌監督の往年の時代劇へのリスペクトが感じられた。実力派の俳優たちの確かな演技力によって支えられた正真正銘の時代劇エンタテインメントだった。
