カプカ

碁盤斬りのカプカのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
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照明や美術が時代劇を見ている喜びにあふれる作品で、仏のように優しい浪人が復讐によって鬼の形相と変わる草彅剛さんが良かったです
落語を原作とした下町感に、ひょんなことから想いがすれ違い窮地に立たされる苦しい展開も面白く
清廉潔白を通すより大事な事がある落とし方も素敵でした。

全体的に画面が暗めで照明の当て方が上手くて、草彅剛さんの顔が半分黒く塗りつぶされてるシーンがカッコよくて映画の時代劇を見てるって感じがよかった。
他にも四季を感じられる描写の綺麗さに、碁盤も本当に江戸時代の物も使ってる所もあるらしく細かいこだわりが行き届いてる。

斎藤工さんの要素以外は思った以上に元の落語の『柳田格之進』って感じだった。
江戸の風景、ひょんなことからの友情、わかってあげられないすれ違い、復讐劇、そして人情って感じで時代劇の面白い所しっかり入っていて話も良かったな。

清廉潔白の主人公がそこ以外の道を見つけていくってのは方向性は全然違うけど、同じ白石和彌監督の『孤狼の血』の日岡と近い変化だなって思った。
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