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碁盤斬りのふむのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.6
前半と十五夜の草薙剛氏の演技は惹き込まれるものがあり素晴らしかった。台本は自分の所しか読み込んでないとは思えないです。國村氏、市村氏、小泉氏、清原氏、奥野氏、音尾氏の演技は流石です。また、映像の美しさ、音楽の挿入が抜群でした。前半はほっこりして楽しめました。
感動はナシ。予習なし。復習で落語視聴あり。


<蛇足>
イマイチなところ。以下ネタバレあり。

・復讐劇の追加及び殺陣
寄席で笑い声がこだまする人情噺の古典落語「柳田格之進」に、真逆のシリアスな復讐劇をプラスしたわりに殺陣がチープで残念。劇団新感線や2.5次元の若手俳優による超人的なキレキレの殺陣と比べてはいけないのでしょうが、他の映像は美しいのに殺陣にまったく華が無く復讐劇を追加した意味を感じなかった。

・武士の誇りは捨てなくても、娘はサクッと売る
たしか立川談志師匠は時代にそぐわないとこの話を一切語らなかったとか。最近、朝ドラ「虎に翼」を観てるので、フェミニズムに配慮が全く無いのに、碁盤を刀で一刀両断(出来るわけないが)したり、元凶側の男と売られた娘が結婚してめでたしめでたしendは少女マンガもビックリのチープさ。映像化にあたり、謎設定を修正しない点に、はて?と歪みを感じる。

・落語が元ネタなのに、語り手がいない。
語り手がいれば、現代との相違点を面白おかしく滑稽に繋いでくれるのに残念。十五夜からは、ある意味コメディなんだなと割り切って視聴。

・クチコミサイトの評価が高すぎ
言語情報が少ないのでメラビアンの法則による印象操作にでもハマったのでしょうか。あとはファン心理やウィンザー効果でしょうか。反フェミニズム思想に疑問を感じない人が多いのは滑稽。私が映画を見に行った時、4.5や4.2評価で歴代の名作と比較してもおかしいくらいに高評価と感じました。


・報連相や事実確認が足りなすぎる。
・役人通さず商人に疑われたたげて過剰。
・自分だけでなく上司の首を差し出す約束をホイホイしてはいけない。
・商家の番頭に疑われたら金を捻り出すのに、良心的な大家さんからは家賃踏み倒し続け、最後は張り紙してトンズラにしか見えない。武士のブライドが埃(ホコリ)に感じてチープ感増す。
などなど。
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