『エクソシスト』と聞くとどうしても厨二病を連想してしまうが、まさかバチカン市国に公式のエクソシストがいたなんて誰が思うだろうか?
そんなエクソシストが日本でいうスーパーカブに乗って移動している!
「なにこのおっさんおもしれー!」
私は興味を持って映画を見ることにした。
アメリカで作られたせいか、イタリアやスペインが舞台なのに地元の司祭が英語を話しているのは放っておいて、上手くカトリックの歴史やスキャンダルを登場人物の過去に取り込んでいて感動しかない。
最近になって問題が判明したカトリック教会による児童性的虐待問題やスペイン異端審問などといったバチカンの黒歴史を上手く取り入れながら、日本人がアニメで好んで使いそうな魔除けが序盤から出てくるし、日本のキリスト教系の学校でもよく習わされる『祈りの言葉』が名称で登場し、キリスト教文化をあまり知らない日本人でも楽しめるようになっているのに感動しかない!
そしてアルモト神父や地元の司祭の苦しい過去の一部に取り入ろうとする悪魔に過去を受け入れることで悪魔を祓って打ち勝つ!
日本人の好きな要素をこれでもかと積み込みつつ、キリスト教圏の人間でも『なるほど』と納得しそうな部分も含んだ傑作でした。
ところで最後のお酒はぶどう酒かな?
(キリスト教ではぶどう酒はイエスの血を意味する)