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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミーのneleのレビュー・感想・評価

5.0
Filmarksオンライン試写会で鑑賞。ありがとうございます!

Talk to Meはサンダンス映画祭、そして今年の夏に海外で上映されて話題になって、高評価されていたので気になって日本上映を待っていました。かなり期待していましたが裏切らなかった!最高でした!

そもそもコンセプトがユニークで面白かったです。普段の憑依系の映画では憑依されるのが怖くて嫌で、わざと繰り返して体験するなんてありえないのに、ここでは何度もやりたくなるような、スリルが楽しいチャレンジ扱いになっているのが新鮮で好きでした。

登場人物は皆うまく書かれていて、本当にそこら辺にいる若者みたいでリアルな気がしました。主人公のミアは普通だと理解しにくい行動もしますが、彼女の立場や背景が分かるようにちゃんと書かれているので、共感できました。演技も皆よかったです。特に弟のライリーの俳優は10代のにかなりのインパクトありました。

YouTuberが作った映画を見るのは初めてでしたが、撮り方がとても綺麗で好きでした。
憑依シーンはとてもよかったです。ちゃんと怖いし、とってもグロい時もあって最高でした。

ミアは母を亡くしてから孤独を感じて、周りの人と繋げるのに必死なのに、映画が進むと話がエスカレートして、どんどん人がそばからいなくなっていきます。繋げる人がいなくて霊と繋げようとするのは、現代の多くの人が感じている孤独に触れていると思います。今はインターネット、スマホ、SNSがあるので人と軽く繋がるのはとても簡単な時代なのに、リアルで深い関係はなかなか持ちにくいです。

映画の中で憑依チャレンジは楽しい暇つぶしから生活と命に害が出るような危険な物に変わるので、ある意味ではドラッグ依存症みたいでしたが、他の捉え方もあるのかなと思っていました。誰かの手を握って、talk to meを言って繋がりたいという、今の世の中の人間関係の難しさを表してるのかなとか、見てからも色々考えました。

話が新鮮でホラー映画としての見応えもあり、そのままでも楽しめる映画ですが、細かく考え始めたらたくさんの社会問題に触れていることが段々見えてきて、色々なレベルで楽しめる面白い映画です!おすすめ!!
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