なるほど「殺人の追憶」みというか、これは自分の鑑賞経験からの感覚でしかないけど韓国映画っぽさを終始感じてた。
主人公ヨアンがチャリで公道ではなくバンクをぐるぐる回るのは一人で走ることで冷静になって考えをまとめるためかと思ったが、ラスト鑑賞後に考えると何処にも行けない出口のない事件捜査を暗示させるものだったのかもと。
年上の部下マルソーとの喧嘩別れを経てからのシームレスな時間経過が演出として面白かった。判事との会話で、未解決のまま3年過ぎて捜査班も解散状態なんだと分かるというね(笑)
「彼女が殺された理由は女だから」という被害者親友の言葉を経ての3年後に、再捜査を命じるのが女性判事で優秀な新人の女性刑事の配置はメッセージが分かりやすい。ただそこに関してはヨアンを優秀に描き過ぎで軋轢が起きないのであくまでサイドネタという感じではある。
マルソーが何故リンドウの写真を送ってきたのかは不明だが、グルグル廻りから脱したヨアンの姿は事件未解決のままのラストとしては映画的に多少の爽快感を与えるものであったかなと。
最後まで楽しめた作品でした。