世界観がとーっても好み。
序盤に感じた些細な違和感が物語が進むにつれて徐々に膨らんでいき、その正体に気づいた瞬間、点と点が繋がって、絡まっていた糸が一筋ずつ解けていくような感覚になった。
そして、タイトルを「片思い世界」と名付けたセンスの秀逸さに、思わず背筋がゾッとする——もちろん良い意味で
その違和感の正体が明らかになるのは割と序盤なので、そのあとのフェーズへとスムーズに進んでいき、構成がとても巧みだなと思いました。
あとなにより
杉咲花の演技が圧巻だった。
『アンメット』と『海に眠るダイヤモンド』で凄さはもう十分わかっていたつもりだったのに、今作でさらに追い打ちをかけられた感じ。本人の人柄とかも含めて、気づけばもう完全に沼。坂元裕二との世界観にも見事にハマっていた。杉咲花の良さを語る会に参加したい。
西田尚美さんとのシーンは特に痺れた。
もともと親子のシーンにめっぽう弱い自分としては、あれを涙なしで観るなんて到底ムリで、嗚咽しそうになるほど胸に迫るものがあった。
最近観るもの観るもの西田尚美さんが母親役としてご出演されていて、この方は何種類の母親を演じ分けられるのだろうと本当に感心してしまう。
自分はつくづく哲学的だったり、社会派なドラマや映画が好きで、坂元裕二が描くような世界が好きなのだと気づかされた。坂元裕二のまだみたことのない作品も観てみようと思います。