グリーンツー

ティーンエイジ・パパラッチのグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

実在する「ティーンエイジ」のパパラッチをハリウッド俳優の一人が「逆パパラッチ」する、ちょっと異色なドキュメンタリー映画。

パパラッチの現状、パパラッチ少年の実状、家庭環境、そして将来…。結構考えさせられる映画。

途中で社会学の教授とかが、パパラッチの存在意義なんかを説明したりする。その中で、「インターネットを始めとした通信手段の発展が、多くの人々を錯覚させた」という趣旨のコメントが印象に残った。

今や誰でも情報の「発信源」になれるし、その情報は世界の誰でも受信できる。またホームページやmixiには、アクセス数をカウントするシステムがある。それが、多くの人を「錯覚」させている要因になっているらしい。

情報を「発信」することで自分が世界の中心にいるような感覚になっている人、結構多いと思う。実は自分もその一人だったりする。

そしてそれが、パパラッチを増長させている要因にもなっているんだとか。

「情報」の価値を考えるには、すごくいい映画だと思う。

ちなみにパパラッチについて、僕は結構評価してる。意外かもしれないけどね。憶測ばかり繋ぎ合わせたゴシップ記事や、職場での「陰口(それも仕事とは無関係の)」にウンザリしてるからね…。ちゃんと自分で「真実」を掴もうとする姿勢がある分、パパラッチの方がマシかな…と思う。勿論、程度の問題もあるけどね。

あと、この映画では情報を「無責任に」発信することの恐ろしさについても触れてた。例えば誰かについての記事やコメントを書く時、「書かれる対象」の痛みを理解できている人はどれくらいいるんだろう?実名を挙げて特定の人物に対する批評を行う以上、匿名で行うのはフェアではないと思う。

「知る権利」と「プライバシーの保護」。境界線は人それぞれだと思うし、なかなか難しい問題。それに対して「一歩踏み込む」勇気がないから、僕は友達が少ないのかなとも思う。