グリーンツー

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章のグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

多分原作者は、ウルトラマンやウルトラセブンの大ファンなんだと思う。「侵略者」の設定にそれはよく表れている。この作品は、ウルトラセブンの「ノンマルトの使者」やウルトラマンの「侵略者を撃て」、「故郷は地球」あたりのストーリーをヒントにして作られた気がする。今回の「侵略者」はノンマルトとバルタン星人とジャミラを組み合わせたような設定。

様々な登場人物が自分なりの「正義」を振り翳して発言や行動をしている。しかしそれが時に恐ろしい結果を招く。「地獄への道は善意で舗装されている」なんて言葉を思い出した。「君は僕の絶対だから」なんて台詞があるけど、だからと言ってそのために他人を犠牲にしていいわけではない。誰かの幸福は誰かの不幸。全員が幸せになれる社会なんてあり得ない。そして勿論タイムスリップや異世界転生なんか実際に出来るわけないから、どんなに見るに堪えない現実でもそれに向き合って、受け入れて生きていくしかない。もしかしたら最近流行りの異世界転生ものに対するアンチテーゼもメッセージの一つなのかも。

というわけで、この作品のテーマを考えればこういう結末は悪くない。むしろ妥当。しかしやっぱり映画や漫画である以上、もっとスッキリした、ご都合主義でもいいからもっとみんなが幸せになれる結末を求めたくなる。「ひぐらしのなく頃に」みたいな感じに終わるのがちょうどいい。