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窓ぎわのトットちゃんのpenのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
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こんなに映像的に豊かで、忍び寄る戦争の怖さも感じさせながらも互いの信頼に満ちた素晴らしい映画を観られて良かった。

一貫して電車が登場して出会いと別れの中にある成長が描かれるので、まるでロードムービーのようだった。トットちゃん達は移動しないけど、時間や時代や状況といった周りのものが動いていく。

明らかな「雨に唄えば」の引用はそうだが、幻想的にアニメーションが動き回る映像は「ちびまる子ちゃん 私の好きなうた」を思い出す。子どもたちの躍動と想像と音楽がセットになっているところが良い。小林先生もリズムありきという。
フィルターや背中など、顔は見せずに大人たちの多面的な姿を演出する。徹底した子どもの目線。しかし心理は分かる按配。

八鍬新之介監督は近年のドラえもん映画でどれも優れた作品を送り出していた。そんな監督の高くジャンプするような作品を観られて嬉しい。
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