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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のpenのレビュー・感想・評価

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世界は音楽にあふれている。誰かと演奏する喜び、離れていて顔を合わせていなくても音楽で繋がれる喜び。それら音楽の魅力を謳歌することが作品全体で満ちみちており、堂々と空気に流れる音色に色と形をつけていることさえも肯定的に捉えてしまう。この時点で自分はこの映画が好きなんだなと。クライマックスの盛り上がりは地球を包み込むような大きな膜を突き破っていく、そんな熱量を感じさせた。そして忘れぬドラえもん世界のSFマインド。舞台が主に2つに絞られていて移動範囲はとても狭いのだが、その中で大スケールの危機が描かれている。

舞台の範囲の狭さはさすがに製作側も自覚していたのか、レベルアップや演奏によって移動出来る世界が増えていく様子を映像で見せることで、観る側に狭さを意識させないようにする工夫が感じられた。そのあたりがゲーム的というか、個人的には仕掛け屋敷に似たギミックに3Dマリオを連想して、その辺りも割りと楽しませてもらった。
音楽による繋がりは歴史の繋がりにも拡がり、他シリーズ作だと「創世日記」なんかも思い出したりする。あれも好きだから少し嬉しい。
「このクライマックスに賭けている…!!」というのが強く感じられたし実際に心揺り動かされたので、気に入った作品になりました。

爆音上映で観たいドラ映画が作られるとは……。
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