井上だいすけ

窓ぎわのトットちゃんの井上だいすけのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.1
うちの母親がいわさきちひろさん
が好きだったので、トットちゃんの
原作が家にあり一度読んだこと
あります。トモエ学園が自由な
校風だったことぐらいしか
覚えてないけど。

この映画も予告編を見る限り
つまんねぇ映画だろうと思って
前半は確かにほのぼのエピソード
で眠気を誘うのだが、中盤で
校長先生が激怒する裏側が見える
あたりから全然違ってきて、
物事が起きている裏側のエグさや
世の中のどす黒さが滲み出てきて
からめちゃくちゃ引き込まれた。
トットちゃんの両親の裏側もね。

この映画をほのぼのして泣ける!
みたいな感想もあって、それは
個人個人の受け取り方だから
良いのかもしれないが、
俺は表立っては描いてないが、
製作者の戦争に対する
嫌悪感やめちゃくちゃな怒りを
感じました。黒柳徹子さんの
ナレーションでは小林先生の
教育への炎って語っているが
校長先生の両目が一瞬炎になって
いるのは、狂気にも似た怒りの炎
だと思う。

あと今の朝ドラ、
ブギウギでも感じることだが、
大正時代から昭和初期はカラフルで
モダンな文化もあったのに、
あの戦争がそういう文化を
めちゃくちゃにしてしまった。
二度とああいう文化は
取り戻せないし、子供に
ひもじい思いをさせたり
悲惨な経験をさせる
戦争なんてもんは
どんな事情があろうと
二度とやってはいけない。
俺らは21世紀に生きてる
んやで。いつまでそんな
争いやってんの。アホか。
井上だいすけ

井上だいすけ