鈴木ピク

アイドルマスター シャイニーカラーズ 第1章の鈴木ピクのレビュー・感想・評価

2.3
アイドルマスターシャイニーカラーズ、通称シャニマスはとにかくインパクトのあるゲームだった。

確か最初のうちはありふれたアイドル育成ゲームの面をしていたと思う。 それほどハマらず適当にログインしたり放置したりしていた。

けれど話題となった『薄桃色にこんがらがって』を前後して、堪えが効かなくなったとばかり大人しいシナリオの規範からはみ出していく。
正確に言えばあくまでアイドルマスターなので、どのエピソードも基本的に無難な箇所へ着地するのだが、その過程を目にしてしまった人にはその結論からはみ出してこぼれ落ちたものが胸に溜まっていくような。
時にはみ出してこぼれだしたものがそのまま物語の終わりに待ち受けることもあり、とにかくヒリヒリして油断ができない。

そうした繊細な解像度を持つ原作世界の映像化は不可能なため、3DCG会社ポリゴンピクチュアズがアニメ版シャニマスの制作会社に選ばれたとの事だが、確かにアイドルのモデリングには一定の進化を感じるものの、それをわざわざアニメで味合う意義は今ひとつわからず「音ゲーのMVで良いのでは?」としか思えないし、そしてこの薄い薄い解像度の世界観で、シャニマスが持っていた世界の層の厚さ、いやさ層を規定しない、定型の話法から零れ落ちたものをすくっていく繊細さは今後も再現できないだろうという残念さが作品の未来を覆う。

とりあえず、取って付けたようなハプニングを取って付けたように解決してライブシーン入れて、それで何かできたような気になってるアニメをこの先ほめそやすのはやめようと固く誓いました。

もったいないなぁ、他にもっとアニメのやりようあったと思うけどなぁ。
鈴木ピク

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