富樫鉄火

バカ塗りの娘の富樫鉄火のネタバレレビュー・内容・結末

バカ塗りの娘(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

#147
とてもいい題材なのに、妙にあれこれ盛り込みすぎて、その一方、中途半端な部分が多く、散漫な印象になってしまった残念な映画。

そもそも、漆塗りについて、もっとちゃんと教えてもらえると思って観に行ったのだが。
たとえば、あの不思議なブラシみたいな道具や、塗料について。
最初と最後に出てきた、関西弁の二人組は何者なのか。
かと思えば、またも出ましたLGBT(そのことに対して驚かない父親)、さらにはあまりにレベルの低い実母(突如、会話シーンが正面切り返しカットになるのは、小津のパロディ?)、介護施設の問題、挙句の果ては、素人の初めての作品が突如オランダで評価されて渡欧するありえないラスト。

あたしは原作未読なので、あくまで想像だが、これは、いわゆるお仕事物語で、もっとにぎやかな、楽しい話なのでは?
それを、妙に静謐な演出で、アートっぽい静かな作品にしすぎたために、バランスが悪くなってしまったような気がする。
富樫鉄火

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