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さらば、わが愛/覇王別姫 4Kのmmのレビュー・感想・評価

4.5
シネリーブル梅田にて鑑賞。
まず、お客さんの多さに驚いた。特に若い女性の観客が多いことに。勝手な解釈やけど、レスリー・チャンは世代と国を越えて愛され続けられているという事実に感動したし、偉大な俳優という認識が強くなった。

初鑑賞の私だったが、少し引きぎみで挑んだ約3時間という上映時間は豆子の死と共にあっという間に終わりを迎えた。
幼少期から始まり、京劇のスターとして活躍した20代、菊仙との出会い、文化大革命という時代のうねり巻き込まれ崩壊していく京劇、そして時を経て再開する豆子と石頭。

その全てを包み込む圧巻の映像美と音楽。最高の3時間。

この作品は確かに同性愛をテーマとしているが、メインテーマは覇王別姫、「運命」がテーマとなっている様に思った。
豆子はあの最後の瞬間、ここが自分の人生の終着点だと悟ったのだと思う。彼は生涯を通して京劇、覇王別姫を完結させたのだ。彼は一人の男を愛した人間でもあったが、京劇という芸術に魅せられた役者でもあったのだ。あの養成所を逃げ出し観劇した京劇を観た瞬間から。

個人的に一番好きだったのは文化大革命時代の自己批判のシーン。観ててめっちゃしんどかったけど、二人の本音が爆発するシーン。菊仙が普通に可愛そうやった。
菊仙、豆子からしたら嫌な女やったかもしれんし、時々えーって行動したけど、結構良い奥さんやと思った。石頭と普通に幸せになりたかったんやなと思った。
その悲しみの分、自己批判の次のシーンの豆子の微笑みはゾッとした。

とにかく大好きな映画でした。
やっとレスリー・チャンを映画館を観れた。それだけでも十分なのに作品も最高やった。
是非、この機会に映画館でこの作品を観てください。
今の時代やから観るべき一作でもあります。
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