いち

ミッシングのいちのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.9
大女優石原さとみが髪をボディソープで洗って役作りに挑んだと聞いて、いざ鑑賞。
愛娘の失踪、手がかりはなし。救いようのない現実を前にもがき苦しむ母の一部始終。狂った世界の中で、報道という悪意にすがらざるを得ない状況に、生活はどんどん蝕まれていく。それでも最後にわずか乍、垣間見えた希望の光。ずっと堪えてきた父の涙に胸が締めつけられた。どんなにドン底に突き落とされても、生きていれば人生は続く。果てしない苦しみのその先に何が彼女たちを待ちうけるのだろうか。終始重い雰囲気だったが、明るい音楽が流れるシーンやヤクルト1000のくだりなど、皮肉めいた描写はクスッと笑えて助けられた。
石原さとみの人間じゃなくなった人間の演技が抜群、万人におすすめはできないが、観る価値は大いにある。
追記:弟がゆゆうたに似てる。
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