マクガフィン

ミッシングのマクガフィンのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.3
母親・石原さとみを中心とし、様々な雑音に溢れた社会を描くことは興味深いが、憔悴しきった石原さとみを終始見ていると、波及してこちらのメンタルも病みそうにも。

モチーフの核となった人物がTV記者の中村倫也で、メッセージの幅を広げる役目に。メディアの成果主義の経営思想や企業理念に翻弄され、報道への信念が揺らぐTV記者の立ち位置が良く、飲み込まれた新米記者・小野花梨が何とも言えない。

只、作為がある〈大人が描いた「子供が書いた絵」〉など、ガジェットやディティールが甘いこと。作風の割には、度合いや意味づけの変化や積み重なっていく感じが希薄なことが惜しい。

終始、憔悴しきった石原さとみで終わるかと思いきや、終盤の弟・森優作とラストの父親・青木崇高に持っていかれからか、一筋の光明が弟と父親に差すが、2人に比べて母親には少なく感じた。