マクガフィンさんの映画レビュー・感想・評価

マクガフィン

マクガフィン

JAWAN/ジャワーン(2023年製作の映画)

3.4

序盤のアクションの掴みが良く、CGを使ってもカーアクションがチープに感じない演出力の高さに感心する。上映時間が171分なので中弛みしたこともあるが、コミカルや歌を挟む抑揚も効果的に。インド映画がシネコ>>続きを読む

ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)

3.6

他者と共有できにくい自閉症児が父親と共有する体験が良く、自閉症から開かれたスタジアムの光景が爽快に。スタジアム観戦することで、免疫力が少しつくような成長も。寛大で理解力があるキャラの配置も効果的で、理>>続きを読む

くすぶりの狂騒曲(2024年製作の映画)

2.2

大半が寄りの構図、手ぶれ映像、ノイズ音を何度も挟むことに辟易。抑揚やカタルシスが無いエピソードよりも、演出の方が問題なことは如何なものか。

クレイヴン・ザ・ハンター(2024年製作の映画)

3.3

シンプルなプロットだが骨太系ギャング映画のようなテイストが好みに。自然やビルなどの様々な背景を活かしたアクションに感心したが、事後の展開が駆け足なことに失笑。次回作が楽しみな出来栄えなのに、SSUシリ>>続きを読む

はたらく細胞(2024年製作の映画)

2.6

前半のコミカルを挟みながら物量が多い演出は面白いのだが。中盤以降は体内外の二重構造のドラマをシリアスでダークに描くのが冗長で、ふんだんに取り入れたオマージュやパロディが逆効果に。配役も過去作と役が酷似>>続きを読む

映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(2024年製作の映画)

2.5

緩いエピソードを羅列し、間延びする編集に辟易。ファンタジー側と現実側の役者の演技力や貫禄が違いすぎるのでバランスも悪い。オムニバス形式にしてタイトな構成にした方が良かったのでは。原作未読。

2度目のはなればなれ(2023年製作の映画)

3.3

70年間抱えた戦争の傷跡を巡る物語。回想とトラウマが効果的で、戦友、見送って待つ側、相手側などの配置や配分に感心するのだが。ドラマ的でリアルに感じないシーンもあり、実話に近いならエンドロードでの本人登>>続きを読む

劇場版ドクターX(2024年製作の映画)

3.0

終盤の倫理的な問題を絡める手術のエピソードにこれはないと思ったら、着地して驚く。『白い巨塔』や『ブラック・ジャック』との対比やパロディを挟みつつ、ヒロインの決して命を見捨てない信念が味わい深い。米倉涼>>続きを読む

動物界(2023年製作の映画)

3.7

息子が動物化していることがバレると隔離されるので、息子に人間らしい仕種をさせて庇うと、動物化している息子のアイデンティティを蔑ろにしていることにハッとさせられる。思想やバックボーンが異なる多種多様なキ>>続きを読む

アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

3.0

■EP.1
売れ残りや変化のモチーフは効果的でなので中盤までは退屈だが、終盤に盛り返す。

■EP.2
細かくて諄いこともあるが、岸井ゆきのマシンガントークや岡山天音の圧倒される表情が可笑しい。

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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

3.6

無声アニメなことで音楽が引き立つことが効果的に。タイトルの複数形なことが感慨深く、離れていてもリンクすることに唸らされるが、演出や展開が『ラ・ラ・ランド』の同工異曲に感じることが惜しい。

モアナと伝説の海2(2024年製作の映画)

2.6

映像は奇麗だが、キャラ達の魅力不足で使命感が希薄なことが冒険譚として問題に。分断などのモチーフやヒロインなどの外見に気を使っても結局は選ばれし者的で、如何にもディズニーらしい。ピクサー映画かと勘違いし>>続きを読む

雨の中の慾情(2024年製作の映画)

3.1

夢や空想や現実が重層する構想は嫌いではないし、時折ハッとさせる描写もあるのだが。カオスな世界観なら猶更、様々な演出手法を詰め込んで取っ散らかることが惜しい。似たようなエピソードを繰り返すことで、上映時>>続きを読む

オアシス(2024年製作の映画)

3.1

描きたいことは理解できるが、描写に拘り過ぎて口下手なプロットが惜しい。終盤に盛り返し、止まった友情や思いが再び動き出す、何ともいえないノスタルジーは良かったのだが。

ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

3.7

過去美化する視点だけでなく現在の女性の視座が効果的で、バイクチームの栄枯繁栄の輝く儚さと失ったノスタルジーが味わい深く、詩的に。
社会から疎外された者達がバイクで繋がり居場所が形成されるが、世代間の価
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正体(2024年製作の映画)

2.5

整合性に多少の疑問があっても演出力の高さで中盤までは興味が続いたが、長野県のシーンからは古臭いTVドラマのようなプロットや演出に呆れる。万能型の主人公に対する警察をひたすら悪で無能に、美形な主人公をた>>続きを読む

あみこ(2017年製作の映画)

3.4

『ナビミヤの砂漠』と同様に、性差で評価や共感が異なるような作品に。
〈独白のような会話〉から〈ナレーションのような独白〉を繰り返すことが効果的で、どうでも良い会話が終盤に宿ることに唸らされる。
狭い世
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

3.8

臨場感溢れるスペクタクルな叙事詩に。序盤の戦場からコロシアムに移ってシチュエーションが狭まっても戦闘が見劣りしないことが凄い。終盤までは血統や名前だけでは、どうにもならない過酷な境遇なことが何とも言え>>続きを読む

他人は地獄だ(2024年製作の映画)

3.3

終盤のどんでん返しの繰り返しが諄いが、サスペンススリラーとしては各々のキャラ立ちが良く、シェアハウス側の役者の配置に感心。主人公の地獄巡りのような振り回され方とキリシマの俯瞰・達観した眼差しが鑑賞側と>>続きを読む

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

3.3

軽やかなテイストながら岡田将生が作品を引き締めることが良いが、ターゲットもB級的に描くのでハイライトでの緊迫感が足りないことが善し悪しに。前半の各々の笑顔の意味などハッとさせられることが印象的に。内野>>続きを読む

海の沈黙(2024年製作の映画)

3.0

芸術の価値をモチーフにし、文芸的な気品あるテイストで中終盤までは興味深かったのだが。
0→1にする創造性と1→2にする模写技術の価値の違いを天秤にかけて芸術家としての優劣をきめることに呆れるし、両親の
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六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

2.5

設定の浅さとプロットの弱さが問題に。最終審査なのに取り乱すこと、途中退出者がいない説得力が無いこと(ワンシュチュエーションの枠組みができていないことが致命的な失敗に)、仕掛けた者の動機も弱過ぎる。余計>>続きを読む

劇場版 ACMA:GAME 最後の鍵(2024年製作の映画)

2.8

CGなどチープなこともあるが、予算を考えるとギリギリな所で踏みとどまって成立しているように感じた。もう少し心理や頭脳戦での揺さぶりが欲しかった。原作未読。TVドラマ未見。

楽園追放 - Expelled from Paradise -(2014年製作の映画)

3.2

自我と肉体の関係性をモチーフにし、デジタルとアナログ、新生と旧生、地上と電脳空間と空の対比は興味深いが、セリフ過多で中盤がダレることが惜しい。SFらしさを感じられるラストの各々の選択と方角の違いにはハ>>続きを読む

劇場版 風都探偵 仮面ライダースカルの肖像(2024年製作の映画)

3.2

ハードボイルド調でキザなテイストだが暗すぎないトーンの明るさに好感。悔恨もあるが各々の決断が繋がることが印象的に。

八犬伝(2024年製作の映画)

3.3

『里見八犬伝』の誕生秘話と実写の劇中劇なので上映時間の149分は長く、入れ子構造の虚構と現実のモチーフは奇麗には機能していないが、完結まで28年かかった歳月の重さは身に染みる。

ベルナデット 最強のファーストレディ(2023年製作の映画)

3.6

最初から最後までアイロニーとコミカルの効きが良く、大統領夫人への皮肉や嘲笑が次第に大統領や側近・男社会に向かうことが面白い。先見の明が有りすぎることも可笑しく、自分を貫ぬいて男権社会でのし上がりことが>>続きを読む

カーリングの神様(2024年製作の映画)

2.7

ご当地映画だし、中盤に個人とチームの葛藤で停滞して中々エンジンがかからないが、終盤の試合はトラッシュトークがない誠実な作りは好感。作品への尊重が欠けるエンドロールは如何なものか。

室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

3.1

ミステリー要素が薄く、ヒューマンドラマが大半を占める。丁寧な作りは良かったが、終盤の内容には疑問も。マーベルのような予告に苦笑。前作鑑賞済。

本日公休(2023年製作の映画)

3.5

人と人の交わりがエピソードになり、移り行く時の流れや経過を想像させつつ、変わらない時の流れが心地よい。

レッド・ワン(2024年製作の映画)

3.1

サクッとしたプロットと構成だが、手癖が悪い凄腕ハッカーの父親の配置が良い。魔女・スノーマン・妖怪・怪物などのキャラの豊富さやトナカイや異世界への扉などのSF要素の抑え処もしっかりしている。
親子関係の
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劇場版「進撃の巨人」完結編THE LAST ATTACK(2024年製作の映画)

2.6

劇場版シリーズしか見ていない(殆ど忘れたが)とストーリーが追えなく、ファン向けの意識が強い作品に。総集編だからかアクションからセリフ過多な禅問答をループする構成に辟易。
ポストクレジットシーンは本編と
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DOG DAYS 君といつまでも(2024年製作の映画)

3.3

犬を介して人間関係を構築していく群青劇。前半の大仰なBGMに戸惑うが、飼い主・獣医・犬好き・犬嫌いなどの様々な視点、保護犬と児童養護の女の対比が効果的に。終盤の出来過ぎなプロットが続くことが惜しいが、>>続きを読む

ルート29(2024年製作の映画)

1.9

奇妙な演出、真正面のショットの切り替えし、薄暗い部屋など奇を衒うシーンが多くて辟易。綺麗な自然の背景はあったが、短編映画を引き延ばした感じで内容が薄いことに。

本心(2024年製作の映画)

3.8

モチーフのメインが死生と思いきや、限定せずにモチーフを広げて多面的なアプローチに興味津々に。
アバターや人を通して見聞する対比が効果的で、それが反転し、様々な何かのフィルターを通して人を判断することに
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.5

戊辰戦争でのマイナーな新発田藩の視点が興味深い。長岡藩との戦果の対比を描きつつ、新幕府と同盟の両側から翻弄されながらも戦争を回避して藩や民を守ったが犠牲も出た、戦争の負の描き方に興味津々。火力の描き方>>続きを読む