ツクヨミ

ミッシングのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

またもやネット誹謗中傷を描く吉田恵輔監督、今回はメディアの内側に爪をたてる。
吉田恵輔監督作品。個人的に"空白"でけっこうダメージを負った口なので正直尻込みしたが、好きな題材のためチャレンジしてみた。
まず本作は幼い娘が失踪した家族を描く物語で、いわゆるスタンダードな失踪映画だと言える。まだ幼い娘を亡くした両親は喪失と憤りをかかえつつ捜索に躍起になっていく。
まあ母親の石原さとみのメンヘラ感がかなり強い、失踪の影響で精神不安定のくせしてバッシングを受けたりするとどうしようもない攻めの状態になってしまう。そんな状態のためかネットの誹謗中傷書き込みを見ただけで憤慨、やはり"空白"や"由布子の天秤"に通づる社会からの誹謗中傷に苦しめられていく展開がキツイキツイ。わりと同じ題材の"二人静か"の母親を演じた西山真来が静だとしたら、今作の石原さとみはまさに動な失踪に苦しむ社会派失踪ものだとわかる。
あと裏テーマとも言える地方テレビ局を内側から見たメディアの闇というか、視聴率確保のためにはわりと取材を受ける側に感情をかけられないリアルが悲壮であった。テレビにかけることで捜索の助けになればという救いをしたい中村倫也のしんどさもまた心を打ってくる。
そして失踪の原因の一つになってしまった母親の弟の立ち位置もかなりデリケートで辛い、誹謗中傷を受けることでどんどん社会的に追い詰められていってしまう。"空白"でも感じたが吉田恵輔監督って社会にどんどん追い詰められる話やりたがるんすかね、でも石原さとみの演技とかすごいんだけどリアルとはかけ離れていってしまう劇映画感。まあそれが良さではあるんだが、ちょっと芝居がかって見えてしまう感じがたまに傷な気がして仕方ない。でも概ねプロットとかは良かったのは確か、好きじゃないし嫌いでもない。
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