グリパス

ミッシングのグリパスのネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

今年見た中で1番の怪作で問題作だと思う
1人の娘がいなくなったところから始まるのがもう嫌だしその前に娘とのかけがえのない思い出が差し込まれるのが絶望へ叩き落とすのかうまい
石原さとみの演技が凄すぎて演技には見えなかった
母親の焦燥感による周りへの強い当たり方や喋り方がリアルで焦ってるいるように見えるのですごい
報道陣のやらなきゃいけないことをいい面と悪い面の両方で描いているから善悪とかの話じゃないし旦那さんや弟目線でも描かれるので群像劇ものに感じた
特に娘に関するなにかが母親によぎるときの焦り方は見てられない
画面をいっぱいに使って巧みに描かれるより場面を引き立たせる演出は上手かった
弟に再度アポを取らないといけない記者として必要なことをやっている後ろでカメラを下に置いてビラをくしゃくしゃにして写しているカメラマンの残酷さ
ああいう一枚がかなり記者側のどうしようもない部分が際立つので末恐ろしい
商店街でぶつかった人たちの喧嘩が画面でうるさくなってる中どうしようもない気持ちを叫びに変えた母親もより怖い不気味でも可哀想が際立つ
見つかったとイタズラ電話出た瞬間の母親は思い出しただけで鳥肌が立ってしまうくらい胸糞悪いし恐ろしかった
2年前の最後の盛り上がりに音楽が流れてクライマックスかのように流れたから終わりかなと思ったけどその後2年後って出たからびっくりしたと同時に正直間延びした感じはあった
マスコミと母親の狂気のような娘への想いと包み込むような愛情を一辺倒には描かないで多面的に展開されるストーリーは見事だった
他の子供がいなくなって自分の娘の事件と関係があるんじゃないかと思いビラ配りを始めたがすぐ見つかって関係ないことがわかったとき絶望せずただ自分と同じような境遇の人たちへの安堵感と「よかった」の一言を言える強いお母さんだなと本当に思った
自分の娘も見つかってないのに人の心配できるのは本当にすごいと思う
それから横断歩道のパトロールをやって子供達のために動くお母さんは前に進んでいるんだなと思った
最後に見つかったこの親子が何かできることはありませんかの一言になくお父さんの気持ちが溢れたのはよかった
結局見つからずに終わってしまったけどバッドエンドには思えないほど哀しくて美しかった
劇伴がかなり好きだし極力使わないようにして引き立つところでしか使ってない気がする
マスコミもやることやらないといけないのはわかるけど主観と客観でこんなにも変わるものなかなかないと思う
いろんな層が見て意見が分かれそうな作品
とにかく石原さとみの迫真の演技が凄すぎた作品
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