有明

ミッシングの有明のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
4.8
最悪だった。
映画を見てこんなに心をぐちゃぐちゃにされたのは初めてだった。嬉しいわけでも悲しいわけでも感動したわけでもなく、ただ受け入れきれなくていっぱいいっぱいになって何度も泣いた。こんなにも苦しくて救いのない気持ちになることこの先何回あるのかな。
フィクションだって言い聞かせたけどどこかにある現実のような気がして、ずっと胸が苦しかった。これがフィクションだとしてもこれに似た現実とか、これ以上に苦しい現実が存在してると思うとどうしたら良いかわからなかった。見ながら私にできることってなんだろうと思ったけどこの苦しみに寄り添うことなんて到底できないと思った。ただ目の前にいる人には優しくしたいと思った。
救いのない終わりのように思えたけど、この家族が受け止めなくて良い不幸まで受け止めていたので誹謗中傷した奴が刑事告訴されてよかった。
報道の人も上に言われたからやらないとなんだろうな、と思ったし、弟も職場で優しくしてくれる先輩の誘いに断れなくてああなったのかと思うと、人々の世の中の当たり前だったりまぁ良いかくらいの出来事を受け入れてた末にあの家族のような大きな犠牲者が存在してる気がした。
大麻や違法カジノについて「誰にも迷惑かけてないから良くない?」と口にしてる人を現実でよく見かけるけどこの映画で弟に関してはただ先輩の誘いに乗っただけでカジノをして誰も傷つけてないとはいえ、こういう事件が起きた時に正しい証言ができなくなるのでなぜ犯罪をしてはいけないかということがよくわかった。
この家族がこの先幸せになることはないのかな、、、と何度も考えた。
有明

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