このレビューはネタバレを含みます
ずっと人の悪意に振り回されて、
ずっと自分の声は届かず、
ずっと人生、人格、目標を否定される。
それでも生きていくしかない。
吉田監督の性善説には、人間のしょーもなさすら業として肯定するような視点がある。
中村倫也演じる記者も10年後は慣れてしまって、なりたくなかったあいつや上司になる可能性もある。
人の優しさなど一瞬の気の迷いのように思える。
それがどうした!人間の思いやりは清らかだ!
寄付金は偽善でも売名でもなく善行で、それを否定することこそ無価値であるように、わずかな希望を頼りに、生きていく。