ankyh321

ミッシングのankyh321のネタバレレビュー・内容・結末

ミッシング(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

石原さとみがどんな役でもいいからと、吉田恵輔監督に直談判して、やっと出演作が決まったという話題がありました。

物語は娘の失踪事件。こういう内容だと、行方不明の娘を探す警察や犯人は誰?みたいな事をフォーカスして進んでいきますが、この作品は行方不明の両親の苦悩や無責任なSNSでの誹謗中傷に焦点が当てられてます。

もうひとつは、この事件を追うテレビ局のディレクター役(中村倫也)の苦悩。真摯に沙織里に向き合い取材して番組を作成しようとするが、上司は視聴率稼ぎのための番組を明示。要領の良い後輩の
出世。

推しの LIVEに行くために実の弟の圭吾に娘を預け、楽しむ沙織里(石原さとみ)。
公園から自宅までの少しの距離で居なくなりそれ以来、家族の日常が暗転。
狂うように娘を探す、ネットを検索。石原さとみのジェットコースターのような気持ちの浮き沈みの演技が迫力があります。
敢えて父親(青木崇高)が淡々としているのが、違和感を感じてしまうが、両親ともにパニックになってしまうより、自らの感情を殺して冷静に俯瞰的に見守る父親の姿も、現実的なのかもしれません。

他人の不幸は蜜の味…のように、SNSという本来なら有力な情報源にならなければいけない物が、他人を攻撃する道具となり、目の前にして言う訳じゃないから、どうとでも言える…そんな無責任な人の悪意が、今の世の中なんだろうな〜と。

見ていて、苦しくなるし、最後まで娘とは出会えず終わりますが、少しでも前を向いて進んでいこうとする、沙織里(石原さとみ)の姿が、切ないけど救われる部分もあるかな。
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