2024 6/3
この監督は本当に生々しい人間を映すのがお上手。
序盤の車修理場で豊が圭吾に"俺もぶっちゃけなんだよって思ったんだよな"みたいに言った後に圭吾が釈明せずただ涙目になってたところとか細かいんだけど生身の人間をちゃんと感じられるところが好き。
横たわる沙織里が美羽の幻覚を見る場面でまさかこれでバッドエンドかと思ったら、その後2年後に飛んで同じような状況に陥った他者と結びつけて、沙織里と豊と圭吾が再生していく姿を描いてくれたのもすごい良かったなあ。
思い返せばこの監督は"空白"の時も救いのある終わり方にしてくれてたもんね。
救いをなくそうとすればどこまでも残酷に描けそうな人なのにちゃんと最後に温もりを残してくれるのが沁みる。
あと、砂田が上司に怒鳴った後の"深呼吸"えげつなすぎた。
なんであんなにリアリティに満ち溢れて虚無でどうしようもない人間模様を描けるんだろう。
