カノ

ぼくたちの哲学教室のカノのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
3.7
“If I can dream”で感動した。
"Elvis”を鑑賞した時は特に感情が動くことはなかったけれど、この映画に当てられたこの曲には校長の願いが強く現れている。

幼少期から哲学という議題についてここまで意見交換ができるのは、やはり周りの意見の引き出し方、受け取り方が格段にうまい。意識して考えさせ、発信できる環境に整えられてるのは校長や生徒たちをサポートする大人たちがしっかりしているから。また、校長は子供たちだけでなく、仕事仲間にも意見を求めていた。これが社会にどれだけ求められているのか。また、自分はどうだろうか。考える。
 さらに哲学の授業から考える力、考えを表に出す力が養われてるおかげでネットリテラシーについても触れている。つまり、哲学の授業のおかげで何にでも対応できる力になっている。これはいつ何時でも自分の武器になるはず、羨ましい。
 2020年代、日本の小学校でどんなことを教養として扱われているのかわからないけれど、私も子供たちに負けないよう常に考えて生きていくつもりだ。
 
 しかし、哲学を用いた教育をしても暴力や犯罪、自殺がなくなることはないのが現実。(もちろん家族や街の治安などなど様々なことが要因になるが)だからこそ哲学は人の思考の広がりを解いて、より良いと思われる方向へ進んでいけるのだろう。

 彼らが大人になってからのアイルランド、特にベルファストがどのように変わっていくのか、彼らよりほんの少し先に生きているものとして動向が楽しみになった。
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