まさ

ぼくたちの哲学教室のまさのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
4.0
北アイルランド、ベルファストの男子小学校で実施されている哲学の授業を2年間にわたって記録したドキュメンタリー『ぼくたちの哲学教室』を見ました。根気強く子供たちと向き合い、自分自身が「考える」ことによって解決していく教師の姿に心打たれました。

大人たちはアイルランド紛争の中で生きてきた世代であり、子供たちはその紛争を知らない世代です。しかし子供たちは紛争の世代の影響を受け、暴力によって解決しようとしてしまいます。子供たちは興奮すると自分をとめられないのです。冷静に考えることができません。教師は、暴力が何も生まないことを語り、解決するために「考える」ことを求めます。すぐにうまく行くわけではありません。しかし対話の継続が未来につながると信じています。

 教育的な効果はすぐに表れるものではありません。テストの成績は短期間で効果をあげることはあるかもしれません。しかし人間力は継続した地道な教育の効果によってしか成長しないのです。このドキュメンタリー映画はそういう教育の意義を描いていました。

現代の日本の教育の間違いは効率的な学力向上しか見ていないことです。それが教育を崩壊させてしまっているのだと思います。この映画を見て学ぶことができました。
まさ

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