Omizu

スイングライドのOmizuのレビュー・感想・評価

スイングライド(2022年製作の映画)
1.0
【第72回ベルリン映画祭 パノラマ部門出品】
キアラ・ベッロージ監督の長編4作目。トランスジェンダーのアマンダ役を演じたのは『キアラ』にも出演している期待の若手アンドレア・カルペンツァーノ。

イタリア版『ミッドナイトスワン』のようなデリカシーのない作品。当事者キャスティングではないし、トランスジェンダーを人間として描いていないのが問題。

体型に悩む少女とその家族をめぐる描写は繊細でよかったが、アマンダとの関係になると途端に雑になる。トランスジェンダーのはずなのに少女とのキスに自発的に応じたり、男をひっかける尻軽に描いていたりと観ていて違和感しかない。

スイングライドというのは遊園地の遊具で、その使い方はよかったと思う。しかし終わり方がよく分からず、投げやりにすらみえる。

少女が悩んでいるのはよく伝わってきたが、いくらなんでも行動が突飛だし、アマンダを自分の都合のいい存在としか思っておらず、それが変わらないまま終わってしまう。

クィア映画って今もっと先に行ってるんですけどね。今こういう描き方をする?という問題のある作品。
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