コムギ

わたしたちの国立西洋美術館~奇跡のコレクションの舞台裏~のコムギのレビュー・感想・評価

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国立西洋美術館が休館していた約2年間の舞台裏を撮影したドキュメンタリー。想像以上に面白かった。

まず工事に伴う絵画や彫刻作品のお引っ越し作業が面白い。
映画のメインビジュアルにもなってる、緩衝材がぐるぐる巻かれた考える人がクレーンで吊られて運ばれていくところとか、屋外に展示されてる大型の彫刻作品の台座の中が空洞になってることとか、見たことないものばっかりで刺激的。

お金の話は深刻。展覧会のお金を出してるのは新聞社やTV局が主体。お金の責任は全て新聞社が負ってくれるが、お客さんが集められるような企画しかできないし、収入のほとんどが新聞社のものになる。
なんとなくアニメの制作会社と製作委員会の関係に似てる。

美術館と新聞社が半分ずつお金を出して展覧会ができれば3倍くらいのお金が美術館に入るようになると思うが、そんなお金は無いとのこと。
戦後間もない頃に東博が企画したアンリ・マチス展に朝日新聞が協力したところから展覧会における美術館と新聞社の関係が始まって今まで続いているらしい。難しい問題だな。

近くの美術館に行ってみようと思った。
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