ブロコリ

ネクスト・ゴール・ウィンズのブロコリのレビュー・感想・評価

3.8
この映画を見て“やっぱり自分はサッカーが大好きだーーーーーー!!!!!”と思った。じんわりと温かくなる心を感じながら、なんでこんなにもサッカーが好きなのかを考えてみた。チームで一つのボールを転がしてネットに入れるという、ただそれだけのことだけど(細かいルールはあるけど笑)、ゴールを目指す時、文化も国も人種も飛び越えて皆が一つになる、それがめちゃくちゃ好きなのかもしれないな、と分析してみたけど、ほんとは好きに理由なんていらない。なんでかは分からないけど、サッカーに心を動かされ、熱狂させられる。それが全てだしそれでいい。そんなことを映画を観ながら思った。

映画は、タイカ・ワイティティ監督らしいダークユーモアや言葉遊びがふんだんに盛り込まれていて、終始コミカルな感じだった。ただ、物語の終盤には自らの過去と心に向き合ったコーチ(監督)の姿と言葉に涙が出た。コメディ映画でもありヒューマンドラマでもあって、ほんのり心が温かくなる。また、米領サモアの人達の生き方や考え方に人生への学びを与えられる、そんな作品だったように思う。観れて良かった。

あと、この話は実話を基にしているということで、改めてノンフィクション映画の良さを感じた。もちろんフィクション映画も好きだけど、事実を伝えることができるのも映像の良さだと思う。これが完全な作り話ではなく、“実際にあったこと”と思うと、ぐっとその作品に重みが増す気がする。(SFやファンタジーは別だけど)それが実話の価値だと思う。自分は、ドキュメンタリーと違って少し脚色を加えながら描かれる映画が好きなので、これからもまだまだ自分の知らない“実際にあった感動する話”が映画作品として出てきてくれたら良いなぁと思う。
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