コマミー

リゾートバイトのコマミーのレビュー・感想・評価

リゾートバイト(2023年製作の映画)
3.9
【魂を奪う化身】



いやぁ…今回もちゃんと面白かった

しかも今回も"都市伝説"に疎い自分も知っているほど有名な都市伝説の映画だったので、観ている間私は怖さよりもワクワクが勝っており、充分に観ていて気持ちよかった。

本作も「鮫島事件」や「きさらぎ駅」同様に「2ちゃんねる」にも投稿されている"ネット都市伝説"の映画化で、本作のキラーとなる"ある怪物"は、2次創作などで性的消費の道具にされたりと残念な使われ方をしているが、今回はちゃんとしたホラー映画のキャラクターとして使われていたのがとても嬉しかった。「口裂け女」や「トイレの花子さん」などと並ぶとコアな存在ではあるが、聞いたことがある人も多いはずだ。
そして2作同様、監督は"永江二朗"監督。今Jホラーを手がける監督の中で、新たな境地に挑戦している監督なのではないだろうか?都市伝説をここまで面白くできるのは、冷静に凄い。

本作は、確かにホラー映画ではあるのだが、終盤に差し掛かるにつれて"ファンタジー作品"に段々化けてくる。"悪魔祓い"と言うか…まさに"オカルトチック"なファンタジー・ホラーとして終盤は観客である私達にまた別の楽しみを与えてくれた。
そして本作の"撮影技法"も前作の「きさらぎ駅」同様、非常に凝っていて良かった。本作の鍵となるスポットに、旅館にある"謎の部屋"があるのだが、そこに繋がる"階段のシーン"がとてもホラーらしくて良かったし、普通に怖かった。ホラー映画にとって"暗闇"の階段や部屋の映し方が結構重要なので、まさに私的には完璧な演出である。

今、Jホラーで1番来ているのは永江監督と脚本家の"宮本武史"さんの作品なのではないかと常々思う。あくまで私の感覚なのだが、「鮫島事件」は観たことないのだが、「きさらぎ駅」が面白かったのを考えると、永江監督と宮本武史さんに都市伝説ものを作らせれば面白くなるのではと感じるのだ。

恐らくこれは、二度三度観ても面白い作品だと思われるので、皆さんにも是非観てほしい作品だし、ラストの展開ももの凄い"残酷な終わり方"をするので、そうゆうのが好きな方は絶対観ることをオススメする。
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