Monsieurおむすび

きっと、それは愛じゃないのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)
3.8
多様性という無限の選択肢が生まれる、文化の坩堝ロンドンで描く、愛とは関係のないあれやこれや。
出自、宗教、因習、年代、性別…。
幼馴染として育っても価値観の違いは大陸間。ゾーイもカズも自分らしくいるようでいて〝折り合い〟をつけて生きている。
2人だけじゃなくて、カズの家族もマイムーナも普通みたいなものを演じて、その代償に家族や夢を失いそうになって。

恋愛結婚かお見合い結婚か
家族か愛かキャリアか
どれもが正解で、誰もが悪い人じゃないから観ていて共感するし、喜怒哀楽に振り回されてる感覚で楽しいし切ないし。

どんな選択をしたかのハッピーエンドではなくて、それぞれが自分に嘘をつかなかったハッピーエンド。そこに至るまでの紆余曲折も思いのほか深く、金言もたくさん。

かつて理想の女性像「シンデレラ」を演じたリリー・ジェームズが、現代のちょっとダメな等身大の女性を演じるのも感慨深いし、歳を重ねるごとにかわいくてアッパーなエマ・トンプソンもお気に入り。
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