面白かった。すごく舞台劇っぽいな？と思ったら何度か映画化された戯曲「Mon crime」の再映画化だそうだ。
オゾン監督早撮り多作だけどちゃんといつも面白い映画撮るからすごい。
根深い問題と殺人事件を扱うクライム絡みの話だが陽気な雰囲気は「8人の女たち」を思い出す。
恐慌時代のパリのアパートで生活する2人の女性が事件に巻き込まれ、それを逆手に取ってのしあがっていく。
元の戯曲・原題・英題・邦題すべてそのものズバリを表していて想像した通りの内容だけど、シスターフッドあり、テンポ良い怒涛の会話劇とコミカルな演技の連続で楽しい。
ダニー・ブーン、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニの共演も嬉しい。
元からなのか現代的要素を入れたのかわからないがMeTooムーブメントへの目配せも感じ、真っ当なやり方では勝てない生き抜けない男性社会で不遇な女性たちが大逆転をやりとげる話でもあり、サスペンス風の内容だが爽快なコメディだった。
こういう展開だと男性がイヤな奴ばかりなのでは？と思うし実際愚かな男性たちだらけだったが、イイキャラがいる。チャラくてルッキズム丸出しでほぼニヤニヤしっぱなしのダニー・ブーンが意外にも女性寄りのキャラクターで良い。
サイレント映画の女王を演じたイザベル・ユペールはゴージャスな悪役のように登場するが、このキャラクターも終わってみればよかったね。
