そこに我々の知る侍の面影は無い。最悪で最高の新解釈。
どこまでもリアルな「人間」の武将、ただそれは決して綺麗なものではありませんが。
「人間性など捨て去れ。」
武将なんて、出世のため保身のため首を狙う薄汚いアホばかりだなと、嘲笑う北野武が目に浮かびます。
歴史に名を連ねる名だたる武将たち全員が肩を並べて綺麗事無しの醜い「人間」に成った本作、やりたいように殺り、やりたいように生きる。
生きるといっても今作のような世界で生きるといっていいものか、と思えるほど良い意味で気持ちの悪い作品でした。
モラルが欠如した武将たちの生き様に、涙は決して出ることはないですが、何か格別の余韻を感じました。
首を欲するあまり狂っていく人間達、そこに武将も平民も差はありません。
北野武が堂々と歴史の教科書に唾を吐き掛ける大作。