終わったあとはなんだこれ、といった感じだったが、驚異的なバランスで作られた映画だったな、と
プロットは秀吉、光秀らの武将のストーリーと農民出身の中村獅童のノキチのストーリーの2本が同時進行で進む
これがどうにかチープ過ぎず、最低保証が担保されたものであった
ただ、肝はストーリーなんかではなく、武将それぞれの描き方、それぞれの俳優の演技、そしてそれらを映すカメラであった
たけし演じる秀吉組の気の抜けたリラックスした演技、それに対して西島秀俊演じる明智光秀組の緊張感がビシビシに伝わる恋愛含めたシリアスなパート、そして小林薫演じる徳川家康のコントの様で一番狂気を孕んだパート
これらのバランスが一見ユルユルの様でいて絶妙なバランスを保っていた こんな映画は2023年のたけしにしか撮れない
