確かに戦国武将ともなれば、女性との色恋にも飽きて男色に傾倒し耽る事もありそうだし、家康のダースはいそうな影武者も、秀吉を神輿に担いだ如才ない秀長と官兵衛や、光秀の信長への謀反の理由等、歴史家達の希望的類推に依った、江戸時代に醸成された武士の様式美に囚われた戦国武将の描き方には確かに違和感があった。
恐らくこの時代の武将は、もっと我欲剥き出しの輩達の化かし合いと小競り合いだった筈だというところからの着想かも知れない。
斬新だとも思うし、これだけの大仕掛けでふざけた映画は、恐らく誰も真似はできないとは思う。
しかし北野武さんは猿というよりむしろ狸の家康の方が合ってるし、笑いの質でも趣の質でも特に感じ入る部分は少ない。
加瀬亮さんが久々に存在感のある役柄だった事とエンディングスコアが大河みたいで重厚だった事、安土城が青かった事は記憶に残った。
後、獅童ちゃんが中々のハマり役だった。
