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首のCinemanのレビュー・感想・評価

(2023年製作の映画)
4.0
『首』
北野武監督
2023年 日本
鑑賞日:2024年6月21日 Netflix

冒頭の合戦後に惨殺された無数の死体を描いたグロテスクなシーンから目を引き付ける。
人間の手首をくわえた犬が埃っぽい道路を横切る黒澤明監督の『用心棒』のイントロを思い出した。

1989年のデビュー作『その男、凶暴につき』以来2014年7月現在までに公開された北野武監督作品は19本すべて観ている。
映画ならではの面白さを描ける世界に通用する力のある監督で『首』は『座頭市』(2003)以来久々の時代劇だ。

【物語の概要】
 天下統一を掲げる織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい戦いを繰り広げていたが、その最中、信長の家臣・荒木村重が反乱を起こし姿を消す。
 信長は羽柴秀吉、明智光秀ら家臣を一堂に集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索を命じる。

 秀吉の弟・秀長、軍司・黒田官兵衛の策で捕らえられた村重は光秀に引き渡されるが、光秀はなぜか村重を殺さず匿う。村重の行方が分からず苛立つ信長は、思いもよらない方向へ疑いの目を向け始める。
 だが、それはすべて仕組まれた罠だった。

 果たして黒幕は誰なのか?権力争いの行方は?史実を根底から覆す波乱の展開が、“本能寺の変”に向かって動き出す―衝撃に備えよ。”
                           〜u-nextより〜

【Trivia & Topics】
✥本作品について。
北野武自らの小説をもとに映画化されています。
第76回カンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映され5分間のスタンディングオベーションで熱狂的に迎えられました。
第47回日本アカデミー賞で加瀬亮が優秀助演男優賞を受賞しています。
これほどまでに全編に渡って首が切られる時代劇はなかったと思います。
戦国の武将たちの権力欲、派閥、切腹、打首、陰謀、同性愛などがこれでもかと描かれている異色の時代劇スペクタクルです。

✥個性的な役者たちが醸し出すアンサンブルが魅力です。
・織田信長(加瀬亮)
・羽柴秀吉(北野武)
・徳川家康(小林薫)
・明智光秀(西島秀俊)
・荒木村重(遠藤憲一)
・難波茂助(中村獅童)
・曽呂利新左衛門(木村祐一)
・羽柴秀長(大森南朋)
・黒田官兵衛(浅野忠信)
・千利休(岸部一徳)
その他、大竹まこと、寺島進、桐谷健太、荒川良々、六平直政、
勝村政信など個性的な役者たちが彩りを添えています。
残念ながら本作の北野武の演技はちょっと・・・でしたが。

【鑑賞ガイド】

😁😁😁😁
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😁😁😁😁😁:見事な作品。

😄😄😄😄:お勧めです。

😀😀😀:楽しめます。

😔😔:苦手です。

🥵:途中下車。

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