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パトリシア・ハイスミスに恋してのnaoのレビュー・感想・評価

3.9
ヒッチコックにはまり「見知らぬ乗客」を観て、ファッションから入った「太陽がいっぱい」を観て、音楽も相まって面白すぎて原作者は誰だろうと思うなか知ったパトリシア・ハイスミス。
後に観た「アメリカの友人」「キャロル」も凄く面白かった。
特に「太陽がいっぱい」は、近年町山さんの解説の中に淀川長治さんの解説があり「主人公は殺す相手が好きだったのだ、同性愛の映画だ」と知って本当にびっくりした。フランス映画ならではの、ファッションはお洒落だし、海上を初めとする描写が綺麗だし、ニーノ・ロータの音楽は素晴らしいし、アラン・ドロンが美しいので、情報量が多すぎる中面白すぎて本当に感動したし、主人公は相手が全てを手にしていることに嫉妬しているのだと思っていたし、それで全然通用していたと思う。
なのに、映像では読み取れないそんな裏があったということに、表立っては表現できない時代だったということと、同時にそんな時代の中でもある表現の自由を感じたし、知らないことを知れることによる映画の面白さ、奥深さを感じた作品だった。
そのハイスミスの人生を知ることができて興味深かった。
表現者は感性がなければ創り出せないと思うので大概の人には理解されないその作業は孤独にならざるをえないと思うけれど、やはり生い立ちが関係しているのではないかなと思ったのと、むしろ人とのコミュニケーションや愛されたいという気持ちは、当たり前だけど同性愛関係なく感じる思いなのだと改めて思った。
ハイスミスと同じくロアルド・ダールも好きなので、だれか製作してほしい。
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