ななな

キリエのうたのなななのレビュー・感想・評価

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.0
私は岩井俊二が撮る女の子が大好きだ。
未熟で儚いけどハッとするほど美しく魅力的。
私が彼の映画のヒロインに持つそんなイメージだが、アイナジエンドさんも広瀬すずもそれには当てはまらなかった。
るかと儚いものの完璧な表現者。見るものを引き摺り込む。キリエはとぞっとするほど甘く、そして聖母のよう。この2人の演じたアイナジエンドさんに脱帽。一方、リップヴァンウィンクルでいうCoccoの役割の広瀬すずは妙に生っぽくわざとらしく、役と合っていないように感じた。
ストーリーはルカの過去を解き明かしていくのだが、3時間という長さは感じないものの、ずっと、可哀想が付きまとう。悪い人はイッコ(と変態ジジイもか)しか出てこないはずなので、ずっと底に可哀想が流れてしまい、再生がないので見ていて辛い。これが現実なのかもしれないが、なんともいえない気持ちで最後まで見ていた。
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