菅原

キリエのうたの菅原のネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

イッコがアネゴ(自分の知人)みたいだなって思った

サブカル映画だなって思った
B級映画って意味じゃなくて
お茶の間向けのエンタメじゃなくて、
芸術性の高い感じ?というか

好き嫌いが分かれる感じというか?

出演している俳優陣がお茶の間向けに出てる人が多いから勘違いしちゃって、面白くないって思う人もいるのかも

詩みたいな?文学的な?映画で、
自分は好きだった

アイナは黒で、広瀬すずは白
の服をよく着る感じの色の対比とか、

キリエとイッコは勾玉みたいだなって思った。
闇に属してる勾玉。

地震のシーンは、軽くフラッシュバックした。
確かにこんな感じだったなぁみたいな。
心臓がギュンとした。

この監督の作品は初めて観たけど、他も見てみたいと思った。


今日映画館で2回目見た

原作未読

2回見て思ったのは、これの主人公は実はイッコなんじゃないかと。

キリエは繊細なように見えて実はピュアで包み込むように優しくて、根底の部分は腐ってない
それに、ナツヒコがいるし、役所の人とか、里親とか、いないように見えて意外と頼るところがある


だけどイッコは逆でさ、
ガサツで天真爛漫なように見えて、
1番繊細で、1番帰る場所というか安心できる場所がないんだよね
なんか、海で「目が覚めちゃったよ」的なこと言うシーンがあるんだけど、
たぶんもう死のうとしてたんだと思う。
キリエのライブを見たら死のう。
そう心の中で思いながら、唯一の救いで拠り所だったキリエの歌を聴いて、
キリエの綺麗さに泣いてしまったんだと思う
上手く言語化出来ないけど、イッコに感情移入したら、もう、苦しくて、苦しくて
人一倍繊細だから、人一倍それを隠すのが上手くて、でも、本当は心はボロボロで、助けて欲しくて、でもそれを言える強さはなくて、心の中は四面楚歌で、生きる希望というものが全くなくて根っこの腐った根無草。

イッコをイメージしながら憐れみの讃歌を聴くと妙にしっくりくる。

イッコが刺された後に

歩き出しても 何度でも
繰り返す痛みにも 慣れていく 
それでいいんだと

この歌詞が歌われてたし、

希望とか見当たらない
だけどあなたがここにいるから

とかは、イッコっぽい気がする。


ナツヒコの苦しさも2回見てようやく理解できた。

キリエが1番苦しいんだと思ってたけど、
実は逆で、

キリエはむしろ、ナツヒコとイッコにとっての希望だったのだろうと。
菅原

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